無死ランナー一塁の場面でピンチヒッターに出ること2回。
ピンチヒッターだが、はじめからバントの構えをする。
ピンチバンターだ。
今年のシーズン初め、三軍でキャッチャーマスクをかぶっていた男が、
日本シリーズで敵のユニフォームで対戦するとは、夢にも思っていなかった。
曽根海成。
京都国際高校卒業。
2013年育成3位で福岡ソフトバンクホークスに入団した。
2017年3月支配下登録を勝ち取り、同年7月に一軍デビュー。
一軍出場は2試合のみだった。
2018年はセカンドのポジション争いに名乗り出るかと思ったが、
高谷、栗原、九鬼ら捕手陣の故障。
捕手ができる選手が5人のみという超非常事態で、
キャッチャーに挑むことになる。
「内野で試合に出るよりチャンスがある」
との達川ヘッドのコメントを見かけたこともあったが、
結局三軍戦でマスクをかぶっている間に故障選手が続々復活。
その間に川瀬が一軍で活躍するなど
キャッターやってる間に出遅れちゃったよ、が見ていて正直な感想だった。
そんななか、7月22日に広島カープの美間と交換トレード。
ポスト松田が欲しいホークスとリザーブの内野が欲しい曽根。
広島カープは内野の層が厚いし出番があるのかなと思っていたら
8月に一軍昇格。
ホークス時代には記録できなかったプロ初安打も記録した。
そして日本シリーズ。
3試合に出場し、そのうち2試合は無死一塁のバント出場。
それもいずれもきっちり決めてカープファンから拍手、ホークスファンも…怒っちゃいなかったんじゃないかな。
幸い(ホークス側としては)どちらも失点にならなかったのが救い。
ホークスで公式戦出場が2試合しかなかった男が
7月の移籍で一軍出場11試合。そして日本シリーズ3試合の出場。
広島カープに居場所を見つけた曽根海成。
来季のさらなる活躍を、期待したい。
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