変わる先発投手理論~オープナー、第2先発

その昔、チームで一番良い投手が先発をやっていた。

V9時代の巨人なんて2-3人の主要投手が交互に先発し、

先発しない日は中継ぎ登板なんてこともザラだった。

先発>中継ぎ

という格差は間違いなくあったし、投手なら先発完投してこそという考えは

今も60歳以上の評論家なんかからは聞こえてくる。


1970年代

「革命を起こそう」

と南海野村監督の考案により、

江夏豊が抑えのエースに。

しかしこのころの抑えと今の抑えでは役割は大きく異なり、

7回8回から登板し、イニングまたぎも当たり前。

先発>抑え>中継ぎ

って感じだったか。


そのうち

先発ローテーション

投手分業

なんて言葉が当たり前に使われだし


左のワンポイントリリーフ

とか

勝利の方程式

とか

中継ぎ投手にも立派な肩書きがつくようになった。


そして今年また投手の役割を考えさせられることがいくつか起きた。


その代表的なものがオープナー。

今季MLBのレイズが始めたこの方式は、

中継ぎ、抑えの力のある投手を先発で起用。

初回の1.2.3番という相手の強打者を抑えるという、今まででは考えられなかった方式がうまくはまった。


たしかに先発投手は立ち上がりが良くない。

特にMLBは2番打者に日本のような犠打タイプではなく強打者を入れるチームも多い。

まるで勝ちゲームの8回9回をクローザーがピシャリと抑えるように、

オープナーが相手の出足を止めて、2回から本来の先発投手が登場する。


アメリカで生まれたのがオープナーなら、

日本で見られたのが第二先発。


もともと球数制限のある侍ジャパンの国際試合で使われたが、

これをシーズン終盤、そしてポストシーズンでフル回転させたのが福岡ソフトバンクホークス。

武田、石川という先発実績のある投手を第二先発に位置づけ。

先発投手は、責任投球回数のことは考えず全力で行く。

そして先発が捕まったら第二先発が登場。

このパターンがはまり、ホークスは日本一になった。


オープナー

第二先発


いずれにもいえるのは、投手の個人成績のことを考えるとふさわしくないよなぁということ。


オープナーの投手はリードの場面で中継ぎ登板した頃はホールドなりセーブなりがついたり

同点の場面で押さえたら勝利投手が転がり込むことだってあったが、

オープナーでは勝ちやホールドやセーブはつかない。

つくのは失点した時の敗戦投手だけ。


第二先発制度も、先発投手の交代時期が早くなり、勝利投手の権利を得る前の交番が増えるケースが。

そうなると勝ち数も増えないし、投球回数も増えない。


とまだまだツッコむところはあるが、

抑え投手が登場したことで「セーブ」が制定されたように、

中継ぎの重要視から「ホールド」が誕生したように


オープナーなり第二先発が定着したら新たな何かが制定されるのかもしれない。


日本ハムの栗山監督がインタビューで、

来年の開幕3連戦(相手はオリックス)で、金子をオープナーとして3連投させるかもよ!

なんて話していた。

もちろんリップサービスだろうが、そういうことだってこれからはできるわけだ。

もし大谷が日本にいたとしたら、

打順を5番以下にして、オープナーで週3回先発!

みたいなこともできたかも。

抑えだと試合展開によって出る出ないが変わるが

オープナーなら0-0からのスタートだから絶対登板するしねぇ。

案外来年アメリカでやったりして??


などといろいろ妄想してると楽しかったりする。


来季、オープナーや第二先発はNPBではどこまで浸透するのだろうか?



毎日ソフトバンクホークス~北のホークスファン~

北海道生まれ北海道育ちのホークスファン歴40年。 ホークスが好きすぎて、1999年仕事退職後、2ヶ月福岡に滞在し、王ホークスの胴上げを福岡ドームで見る。現在札幌で広告代理店を運営。雑誌、ラジオ番組などにホークスファンとしての執筆、出演も。 【ホークス関連の主なメディア歴】 ・野球太郎・スポーツノッチェ・別冊宝島・ホークス歌の応援団(RKB毎日)・カムズ北見・アルバイト十勝他

溝手孝司

札幌在住。
劇団⇒ラジオパーソナリティ⇒タウン誌ライター⇒放送作家⇒フリーペーパー編集長などを経て2011年、広告代理店(株)ユータスネットを創設。
創設と書いたらなんかカッコいいが、社員ゼロ、一人社長の札幌一小さい広告代理店です。

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